「善き人のためのソナタ」

徹夜残業して、今朝、会社の床で目覚めた時「そうだ、映画観にいこう!」と思った。
ってコトで、渋谷まで出て善き人のためのソナタを観てきました。劇場はシネマライズ
出来れば利用したくない劇場なんだよね〜。だってあんま観易くないし、なにより
スタッフの質がサイアクなんだもん。あれならいない方がましだよ!無駄にいっぱいいるし。
でも都内ではここでしかやってないんだよな〜。クソっ!

公式→http://www.yokihito.com/(音が出ます。っつか、この音楽だけでも聴く価値有り!)


舞台は1984年の東ベルリン。まだドイツが東西に分かれ、冷戦が続いていた時代。
独国家保安省(シュタージ)の将校・ヴィースラー大尉は、劇作家・ドライマンが反体制的であるという
証拠を掴むための監視を命ぜられる。


ドライマンの部屋に盗聴器を仕掛け、監視カメラを仕掛け、ヴィ−スラーはドライマンを監視する。
そこでヴィースラーが見たのは、検閲され、管理されながらも自由と愛に生きようとする芸術家の姿。
そして盗聴器の向こうから聴こえてきた妙なるメロディ・・・


氷のようだったヴィースラーの心に、次第に何かが芽生えていく。疑ってもみなかった国家社会主義
醜さに気付き、ドライマンについに家宅捜査の手が伸びた時、ヴィースラーがとった行動とは・・?!


しんみりと、ジーンと、心に迫る映画です!
派手なシーンも演出も皆無。ひたすら抑制された演出と演技の中に、“不屈”の白い炎が燃えている!


二人とも、個人の力で国家社会主義に立ち向かったりはしません。ドライマンは検閲を受け続けるし、
監視され続ける。出世を約束された将校だったヴィースラーも、この件がきっかけで閑職に追いやられ、
一労働者としていつ終わるとも知れない無味乾燥なルーチンワークを続けることになります。


しかし!ヴィースラーとドライマン。立場は違えど、心に同じ白い炎を燃やす者同士なのです!!
自分の行動に後悔などしていないし、誰かに褒めてもらおうとも思いません。
ただ、自分が信じることを貫き通しただけ・・・。


やがて、ベルリンの壁は崩れ、ソ連が崩壊し、冷戦が終わりを告げます。
自由な時代がやってきたのです。
そして・・・二人の高貴な魂をもった男にこの物語が用意した、あくまでも彼等らしい最高の結末!!
ラストシーンのヴィースラーの一言とあの表情!!(涙)


いやもうマジで!心にジンとくる名作です!!ホント「いい映画観たなあ」ってカンジ。
ライズでは今ちょうど新海誠の新作「秒速5センチメートル」も上映してたので、最初は二本立て
いっちゃうか?とか思ってたんだけど(ライズなんて何度も来たくないしさ)、この映画観たら
もう一本観ようってキモチはなくなっちゃいました。ホントいい映画!オススメです!!