「美鳥の日々」

美鳥の日々 (5) (少年サンデーコミックス)

美鳥の日々 (5) (少年サンデーコミックス)

井上和郎・著「美鳥の日々」全8巻を読了しました。(上の写真は第5巻)


DDのヘッドに流用するためにフィギア(サイズ的にちょうど良い)を購入したのに、
肝心の原作は読んだことがなかったんですよ。さすがに「それはどうか?」と思って、
以前から少しずつ読んでたのですが、この程全8巻読了しました。


うん!良かった!!マジで感動しましたっっ!!!(涙)


美鳥の日々」は2002年9月から2004年7月まで週刊少年サンデーに連載された作品。
不良だけど男気のある高校生・セイジと、彼の右手になってしまった女の子・美鳥(ミドリ)の
ドタバタラブコメディです。もう少し詳しいあらすじについてはWikipediaに実に素晴らしい文章が
掲載されているのでそちらをご覧下さい。


普通サイズの男の子とミニミニサイズの女の子の恋愛・・・
この設定に、私は即座に内田春菊の傑作マンガ「南くんの恋人」(Wiki)を思い出しました。
30代前後のマンガ好きなら、あの、あまりにも切なくて、あまりにも報われない最後に
涙を流した人も少なくないはず!!いくらなんでもありゃヒドい!かわいそ過ぎるっ!!


そういったワケでこの設定、私的にはバッドエンド・フラグ総立ちの、ある種のトラウマ的
設定だったわけなんですが・・・本作「美鳥の日々」を読み始めた時、私は直感しました!
これはハッピーエンドで終わる「南くんの恋人」なのだ!と!!


いや〜!ホント良かった!!
その期待どおり、バッドエンドに陥ることなく幸せなエンディングを迎えてくれました!!
実に地に足のついた真の成長をきちんと描いて、主人公の二人を結びつけ、しかも、
脇役一人一人にいたるまで、登場人物の全てにフォローまでして!


こういう真っ当な、正面からちゃんと描いてくれるマンガを読むと気持ちがいいです。
正直当初は、少年誌の連載で、絵が丸っこくて女の子がカワイくて・・・ってカンジなので、
まあ若い読者向けの明るく口当たりが良くて、ちょっとサービスも有りの作品だろうくらいに
思ってたのですが、私が間違ってました。井上和郎良い!
この作品で見せてくれた彼の作家としての姿勢には信頼できる誠実さがあります!!


ちなみに井上氏は「うしおととら」や「からくりサーカス」などでおなじみの藤田和日郎
元アシスタントだそう。「金色のガッシュ」の雷句誠もそうなんだよね。藤田和日郎って若手の
育成が上手いんだなあ!きっと人間的にも魅力のある人に違いない。藤田氏の作品って読んだこと
ないので、今度読んでみようと思いました。