「転校生 さよならあなた」

大林宣彦・監督の映画「転校生 さよならあなた」を観に行ってきました。
公式:http://www.tenkousei.net/top.html


ご存知の方には説明するまでもないことですが、この映画は1982年に公開された
大林監督の映画「転校生」のセルフリメイクです。

転校生 [DVD]

転校生 [DVD]

これがその1982年公開のオリジナル版のDVDです。


「転校生」といえば!
男の子と女の子の心と身体が入れ替わってしまったことから巻き起こるドタバタと
ちょっぴり切ない心の動きを、ノスタルジックに描いた青春映画の名作中の名作!!
1983年公開の「時をかける少女」、1985年公開の「さびしんぼう」とあわせて、
大林監督の尾道三部作”として、私の世代の映画ファンからは絶大な支持を
得た名作映画ですよ!「時をかける少女」が去年アニメ映画化されたのも記憶に
新しいですよね!!


本作もまた、1982年公開のオリジナル版をそのままリメイクしたワケではなく、
様々な設定がリニューアルされてました。まず、現代になってます。主人公は
普通に携帯電話とか持ってるし、舞台も尾道から信州に変わりました。
男の子の主人公・一夫も、両親の離婚を期に信州に引っ越してきたことに
なっていたりと、より現代っぽい設定になってます。


オリジナル版が大好きな私としては、あまり大幅な変更があってほしくないな〜
とか観に行く前は心配していたのですが、そこは大林監督のこと!
スラップスティックなコメディと、独特のノスタルジックな美しさは健在です!!
そうそう!これが大林宣彦なんだよな〜!!


しかし、その全然変わっていない独特の作風・・・多分、今の若い人の目には
奇異に映るんじゃないかなあ??「ありえねえ!」みたいな感覚あると思います。


そう感じさせる最大の要因は・・・キャラクター設定。
これが笑っちゃうくらい、1982年のオリジナル版と雰囲気が同じなんですよ。
要するに、古いんですよね〜。今時の高校生にはこんなキャラクターしてる子
いないんじゃないかな〜??


ただし!ただしですよ!!
そう感じちゃいつつも、ファンの私は映画に没頭しちゃいました。
キャラクターは古臭いし、物語の流れも「ええ〜?!」みたいなトンデモ方向に
すっ飛んでっちゃうし、ぶっちゃけツッコみどころ満載なんですよ。


なんですがっ!!
私、ここ最近観た映画の中で一番入り込んじゃった。劇場出てから家に着くまでも
ずっと映画のこと反芻して、主題歌が頭の中でリフレインしてるんです。
そして思いました。中学生とか高校生とか、そうゆう多感な時期に熱中した
大林監督の作風は・・・私の魂の一部になってるんだな〜と。


確かにツッコみどころばっかだし、物語の完成度も決して高いとは言えません。
しかし!大林宣彦は特出した個性をもったOne&Onlyの映画監督です。
その作風は、私の中ではリアルさ以上に優先されなければならないし、
大林宣彦はそうでなくちゃいけない!!ってのも一つの真理だと思うのです。


ちなみに女の子の主人公を演じた連佛美沙子はすげえよかった!!
独特の生硬い雰囲気があって、なんかね、好きになっちゃう子なんですよ。
「バッテリー」に出演してた時も、あ、なんかいいな〜と思ったんだけど、
本作で私の個人的な期待度はうなぎのぼりであります。
このままいい女優に育ってほしいなあ!!