「俺は、君のためにこそ死ににいく」

新城 卓・監督、石原慎太郎・脚本&制作総指揮の戦争映画
俺は、君のためにこそ死ににいく」を観に行ってきました。
公式:http://www.chiran1945.jp/


時は太平洋戦争末期、神風特攻隊の出撃基地があった鹿児島を舞台に、
彼らの溜まり場となっていた食堂で特攻隊員達に母のように慕われた
おばちゃんの交流を描いた映画。


知人から新城監督を薦められてたので、珍しく新作が公開されたこの
機会に観てみよっかな〜と思って観に行ったワケなんですが・・・
これは・・・ダメだわ〜


何がダメって、一言で言ってイデオロギッシュ。
“お国のため”とかそのての思想バリバリですよ。そして完全に男性が
主で女性が従の関係。実際、当時を正確に表現しようとしたら、こうゆう
ふうに描かれるのは当然といえば当然なんですが、当時を知らない現代人
からすると“軍国的”に感じられて正直アレルギーあるよね〜?


私としては「男たちの大和」みたいな戦争映画を期待してたんですけどね。


男たちの大和」は“お国のため”とかそういった思想的なことはほぼ
全く廃して、隊員たちの“愛する人を守りたい”という個人的な感情に
焦点を合わせていたから私も感情移入できた!これが戦争映画における
方法論の新たなスタンダードになるに違いない!って思いましたもん。


でも「俺は、君の」はそうじゃない。
もう完全に当時のイデオロギーモティベーションとして男子が行動し、
女性はそれを盲目的に肯定する。(しかし皇国史観的表現は無い。なぜ?)
そうゆうの、正直かなり異常に見えました。当時を知っている人なら
「そうそう!こうだった!!」って懐かしく感じるのかもしれないけど、
そうでない現代人にはこれを受け入れるのは無理だろ〜?


映画の技術的な面でいえば、かなりちゃんとしたつくりにはなっていると
感じました。演出もクドくないし、ストーリーの流れに付いていけない
ということはないと思います。しかし、脚本がこれじゃあね〜


そもそも主人公のおばちゃんが・・・理解できんな〜?
ホントにこんな人だったのかなあ??(一応、実話が基になってるらしい)
あまりにも男性の側からみて都合が良すぎるただの“いい人キャラ”に
しか見えませんでした。私、こうゆうキャラって極めて敏感にアレルギー
感じるんですよ。逆でいえば、女性の側から見て都合が良すぎるだけの
“いい人キャラ”な「フラガール」における豊悦とか。


ってコトで、特定の思想に偏ったイデオロギー万歳映画だと思います。
うむむむむ、残念。新城監督は「秘祭」って作品が名作らしいので、
そっちを観てみたいな。