緒方てい

緒方ていというマンガ家さんの作品が良い!
・・・と聞きまして、ちょっと調べてみたら、なんか「あの緒方てい」とかそうゆう表現が多い。
ちょうど先日発売になったばかりの新作『人造人間カティサーク』の第1巻の帯も
緒方てい最新作」と作家名が前面に押し出された表現だし、どうやら独自の作家性を
もった“知る人ぞ知る”的なマンガ家さんのよう。


それで俄然興味が湧きまして、何冊か読んでみたのですが・・・なるほど!こりゃ納得!!
緒方てい氏の作風を簡潔に一行で表現するなら・・・
美少女を主人公にして『覚悟のススメ』や『Gガンダム』的テイストのバトルアクションを描く作風
・・・と言えるでしょう!!


人造人間カティサーク 1 (CR COMICS)

人造人間カティサーク 1 (CR COMICS)

敵ロボットとの激闘の末、バラバラに破壊されてしまう人造人間カティサーク(←美少女ロボっ娘(笑))。
正義は敗北するのか?!人類の未来は?!
だがその時!カティサークは、恋する鉄兵くんの必死の叫びに呼応して奇跡の復活を遂げる!!
・・・のですが、そのコマの書き文字『恋する乙女に 不可能なんてない』←大文字です。


・・・フツウだったら笑うトコですよね?しかし「クスっ」ときながらもそれだけでは終わらない。
なぜなら、書いてる作家がマジだからです!熱いんです!そのアツさが読者にも伝わってきて
こっちまでマジにさせられてしまう!!がんばれ!カティサーク!!!みたいなね(笑)


そこには、GINAX作品のような“美少女に救ってほしいけど、美少女を信じていいのかワカンナイ”的
迷いはありません。それゆえ、一歩間違えると、男性に一方的に都合の良いばかりのオタク向け作品に
成り下がってしまうとこなんですが・・・そうはなってません!なぜなら、作品の中に作者の確かな
メッセージが込められてるからなんですよ。それが顕著なのが↓の作品。


キメラ 1 (ジャンプコミックスデラックス)

キメラ 1 (ジャンプコミックスデラックス)

舞台は中世ヨーロッパ風の世界。軍事大国ゲイボルグの侵略によって、家族を失った少女リン。
だが彼女は実は古の戦闘民族キメラの末裔だった。やっと手に入れた平和の暮らしと愛する人たちを
守るため、彼女は自ら戦乱の渦中へと身を投じるのだった!!


こちらが緒方てい氏の名を世に知らしめた代表作?現在16巻まで発売されてて、次巻で完結の模様。
とりあえず2巻まで読みましたが、こりゃマジで続きも読まないといかん!!


要するに、中世ヨーロッパ風の世界を舞台にしたファンタジー作品なんですが、2巻まで読んで強く
感じさせられたのが、この作家は戦争がどんなものであるかを正しく理解しているということ。
そして、単なるエンターテインメントとして戦争を描いているのではなく、真摯に反戦のメッセージ
を込めているということ!争いの渦中においても失われない人間の善き心を信じていること!


なるほどね!こりゃ確かに良い作家さんだよ!!作家の人間性が信用できる。
特に戦争を描く作品においては、作家の人間性が確かでないと、おかしな方向に歪んだ影響を
受けちゃう危険性があるからね〜。


ってコトで、この緒方ていという作家さん!
確かなメッセージ性をもち!燃えるように熱く!ちょっと大げさな表現もあり、戦闘シーンの迫力も
あり!美少女のちょいセクシー描写(笑)もありという素晴らしい作家さんです。
こんな良い作家、今まで知らなかったなんて!!これから全作品を読破せねばならんよ!!