「夕凪の街 桜の国」
「夕凪の街 桜の国」の映画を観に行ってきました。
公式:http://www.yunagi-sakura.jp/
原作のマンガが、マンガ史に永遠にその名を残すに違いない大傑作なので、
そりゃあもう期待しまくって観にいったんですが、うむむむむ・・・これはダメだ。
とにかくね〜、脚本がダメ。演出もダメ。
原作のマンガがあれだけ出来がいいんだから、マンガの通りの脚本と画面に
すりゃあよかったのに、余計なことやったり、大事なとこカットしちゃったり、
延々セリフで説明させちゃったりしてるもんだから、映画に入り込めません。
さらには、男性陣のキャスティングの大半が役のイメージに合ってません。
現代の旭役が堺正章だと聞いて「はぁ?」と思ったもんですが、実際映画を観てみても、
役柄にそぐわない下手な小芝居をしてくれやがって、かなりイライラさせられます。
打越役、過去の旭役も笑顔がニヤケ顔になる役者で、作品のトーンに全く合ってません。
一方で、女性陣のキャスティングはかなり良かったです。
前半部(過去)の主役となる皆美役の麻生久美子は、皆美役にしては美人過ぎる感が
否めませんが、とにかく作品のトーンにぴったりハマりまくっていて、演技も情感が
出ていて、目が釘付けになりました。広島弁がまたカワイイんだ!!
後半部(現代)の主役となる七波役の田中麗奈も、お母さん役の藤村志保も、
東子役の中越典子も、ホント役のイメージにぴったり!!あと京ちゃん役の人も
バッチリイメージに合ってたなあ!(なのに、パンフに写真付きの紹介がないので
なんて名前の役者なのかわかんねえ!このパンフもダメだよっ!!)
ただね〜、脚本や演出がダメだと、役者がどんなにいい演技しても全部無駄に
なっちゃうんだよね〜。映画オリジナルの要素もいくつかあるんですが、演出の
仕方があざとい!下品!!髪留めの行方なんかは、もっとさりげなく演出すれば
いいのに、これでもかっ!っつーくらい演出するので逆に煩わしくなっちゃう。
原作の最も大切なメッセージ部分も、見せ方が下手なのでちっとも胸に迫って
こなかった。俺さ!大泣きするもんだと思って準備万端で観にいったのに、
全然泣けなかったんだよ?なんなんだよチクショー!!!!
ああもう〜っ!!せっかく素晴らしい原作なのに、監督がわかってないばっかりに
非常に残念な作品になってしまった。なまじ女性陣の演技は良かっただけに、
益々無念な気持ちでいっぱいです。監督は佐々部清。この監督の作品って初めて
観たけど、こんなコトやってるようじゃ他の作品も観る気にはなれないよ。
ってなかんじで、鬱々としたサイアクな気分で帰ってきました。
気を取り直して原作をもういっぺん読もう!原作は、将来山川の日本史の文化年表に
その作品名が載ってもちっとも不思議ではないくらいの奇跡の大傑作です!!
そうだよ・・・こっちを見ればいいんだよ。・・・でも悔しい!ったく、チクショー!!
- 作者: こうの史代
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- 発売日: 2004/10/12
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