『エルフェンリート』

す、すごい作品を発見してしまいました!岡本倫・著『エルフェンリート』です。


エルフィンリート』は、2002年〜2005年にかけてヤングジャンプで連載されていた作品
なのだそう。単行本は全12巻。これまた全然知らなかったけど、アニメ化もされたみたい。
DVDも既に全7巻が発売されてます。


この作品を知ったきっかけは・・・某動画共有サイトでたまたま、アニメ化された際の
オープニングを見たのがきっかけでした。それが↓これ。

一度聴いたら死ぬまで忘れないであろう、哀しく憂いに満ちたグレゴリオ聖歌のような歌!
これ、本物の聖歌でもカバーでもない完全オリジナル!しかも歌詞はラテン語だそうです。
そして画面は、明らかにクリムトの絵画のアレンジでしょう!!名画「接吻」もある!!


なんとも“鬼気迫る”としか言い様がない凄まじ過ぎるセンス!!
これTVアニメのオープニングですよ?!信じられます??
こんな凄いオープニングを作るような監督が作ったアニメが駄作なワケないよね!!


それで色々調べてみたら・・・
どうやら原作からして“知る人ぞ知る”的な、一部の人に熱狂的に支持されてる作品のよう。
詳しくはWikipediaで。
Amazonに書き込まれたコミックスのレビューを見ても・・・ちょっとタダモノでない雰囲気が
濃厚に感じ取れます!!


ってことで、とにかく原作の単行本の1巻を買ってきたのがほんの数日前のこと。
一気にハマって、続きも続々と買い揃え、現在もの凄い勢いで読んでます。
無論、アニメの方もちょこっとずつ観てます。


で、内容ですが・・・
我々人類と、進化した新人類との、種の存亡を賭けた戦い。
互いに殺しあうことを運命付けられた二つの種は、どちらか一方が滅亡することでしか
自らを存在させることができないのか?秘密裏に進行していく悲劇の渦中において、
人類の青年と新人類の少女が出会い、そして・・・


萌えアニメ的な絵柄にそぐわない重いテーマ!っつーか重すぎるよこれ!!
グロい描写も満載だし、辛過ぎるエピソードも多く、読むのかなりキツいです。


でもね!なんとゆうか・・・目を背けちゃいけない!と思わされる作品なんですよ。
辛いけど、今、とてもとても重要な事が語られてるのだという、緊迫感がひしひしと
伝わってくる!!


誰にでもおすすめ〜☆みたいな作品とはお世辞にも言えませんが、とてつもない
問題作であることは疑いないと言い切れます!!そうだな〜?「ひぐらし」の
目明し編に耐えられる精神力を持ってる人ならぜひチャレンジしてほしい!!


エルフェンリート 1st Note(CD付き初回限定版) [DVD]

エルフェンリート 1st Note(CD付き初回限定版) [DVD]

エルフェンリート 1 (ヤングジャンプコミックス)

エルフェンリート 1 (ヤングジャンプコミックス)

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

エヴァの新劇場版の第1作。なんだかんだ言ってもブームの時は直撃されて
トラウマった世代なので、観に行かないワケにはいかないんですよ〜(笑)
公式HPは・・・ここかな??


この新劇場版、第1作はとりあえず新しい展開とかはなかったみたい?
でもTVシリーズの時と比べると、原画から新しく描き起こされたシーンが随分
増えてましたね。背景なんかは100%新規差し替えだそうで、大幅に画面の
クオリティがアップした印象です。


久しぶりに『エヴァ』観たワケですが、やっぱ憶えてるな〜!!
しかし、リアルタイム放送から10年以上経って、その間に『エヴァ』について
長いこと悶々と色々思い悩んだ体験も蓄積されてるので、全く以って新しい
気持ちで観るってのは無理〜。でも綾波のテーマとかのBGM聴くと、未だに
グッと胸を締め付けられます。


そう・・・綾波なんだよな〜問題は。
綾波の存在をどのように捕らえられるかが『エヴァ』の重要なポイントに
なってくるんだよね〜。私なんかは一時期、綾波に吐き気を感じさせられた
こともあったもん。


まあ、良くも悪くも、色々頭の中には様々な未消化の『エヴァ』が体積してるので
そういったもんにケリをつけるためにも、新劇場版シリーズは最後まで観に行く
ことになるでしょう。


ちなみに第2作の予告編は、見たこともないキャラやメカが映ってた!
新劇場版オリジナルの展開もあるのか??

『レミーのおいしいレストラン』

ピクサーの新作『レミーのおいしいレストラン』を観に行ってきました。(公式HP


物語の王道を描ききる!これがピクサーのすごい所なワケですが、
今回の『レミーのおいしいレストラン』もその例に違わぬ楽しい作品でした。


とにかく主人公のネズミ・レミーの可愛さは異常!!ふさふさした毛の質感も
見事に表現されてて、萌え死に寸前ですよ。


ピクサーの過去の作品と比べると、若干脚本が練れてないかな〜?という感も
ありましたが、やっぱりなんてったって、笑いあり涙ありの王道サクセス
ストーリーはいいよね!幸せな気持ちになれます。

『水になった村』

大西暢夫・監督の映画『水になった村』を観に行ってきました。(公式HP


舞台は岐阜県の山間部・徳山村
この地に日本最大のダムが建設されることになったのは1957年のこと。
徳山村の住人たちは次々と、近隣の移転地に引っ越していった。
しかし、数少ないながらも、ダムが完成するまでは故郷の村で暮らしたいと
徳山村に残ったおじいちゃんおばあちゃん達もいた。
そして2006年秋、ダムは完成する。


この映画は、徳山村に暮らすジジババ達と写真家にして映画監督の大西暢夫との、
ダムが完成するまでの15年間の交流を綴ったドキュメンタリー映画です。
(あ、完成後の交流もあります)


ダムに水没する村・・・このテーマを聞いて、ダム建設反対運動だとかを追う映画
なのかな〜?と思ってたんですが、そういった政治的?な主義主張みたいなものは
全く描かれません。泥と水と、大自然に囲まれた徳山村の暮らしを愛し、その地で
生きていくことを「幸せ」と笑顔で言い切るジジババ達のさわやかな姿を淡々と
綴っていきます。


人間にとって「幸せ」とは?「生きる」こととは??
忘れていた根源的な何かを思い出させられたような気持ちになる映画!オススメです!!

『天然コケッコー』

山下敦弘・監督の映画『天然コケッコー』を観に行ってきました。
公式:http://www.tenkoke.com/


舞台は鳥取(?)の片田舎の小さな村。
中学生が3人、小学生が3人。生徒・児童あわせて合計6人しかいない分校に通う
主人公の右田そよは中学2年生。小さな子供達の世話もする、皆のお姉さん的存在だ。
学校の周りには、一面の田んぼと緑の山々と、少し歩けば日本海がある。
そんな平和でのどかな日々だったが、ある日東京からかっこいい男の子が転校してくる。
ちょっと気難しくてとっつき辛い男の子だが、そよにとっては初めての同級生。
二人は衝突しながらも、次第に近づいていって・・・


とてもとても爽やかな青春映画の傑作がまた一つ誕生しましたよ!!


いっや〜!良い脚本&良い演出の映画って、自然に引き込まれちゃいますね!!
実は劇場に来る前、会社で嫌〜なコトがあって、鬱々とした気分を引きずったまま
劇場に行ったのですが、映画始まったらそんなコトは忘れて没頭しちゃいました!!


監督は山本敦弘。初めて観る監督だけど、確かな演出力のある実力派だよ!!
そして脚本は渡辺あや。そもそもこの映画を観ることにしたのも、知人が渡辺あや
絶賛してからなんですが、確かにこの脚本めちゃめちゃ出来がいい!!


そして役者陣もグッド!!
主人公・右田そよ役を演じた夏帆さんは、垢抜けないながらも、明るく清潔な魅力が
輝いていて、誰もが好きになっちゃうこと請け合い!!


その他の役者も皆、肩の力の抜けた自然な演技を披露してくれます。それがまた、
良い脚本&良い演出と相まって、映画全体を明るく健やかな雰囲気で満たしているのです!!


中でもちょっと驚きだったのが、そよのお母さん役の夏川結衣
これまで数々の作品で、どちらかといえば薄幸のヒロイン役を演じることが多かった
美人女優ですが、この作品ではいいカンジに肉がついて(笑)タフなお母さん役に
みごとにハマってました!ちょっとマジで嬉しい誤算(笑)だよ!!


とにかく脚本&演出が確かで、役者の演技もグッド!なんとゆうか、この映画の制作に
関わった全ての人が、正しく同じ方向に向かって完璧なチームワークを発揮できたことが、
ちゃんとスクリーンに表現されている、真に幸福な作品だと思います。
これ多分、撮影時の現場の雰囲気もすっごいいいカンジだったんだろうなあ!!
強力にお勧めです!!

緒方てい

緒方ていというマンガ家さんの作品が良い!
・・・と聞きまして、ちょっと調べてみたら、なんか「あの緒方てい」とかそうゆう表現が多い。
ちょうど先日発売になったばかりの新作『人造人間カティサーク』の第1巻の帯も
緒方てい最新作」と作家名が前面に押し出された表現だし、どうやら独自の作家性を
もった“知る人ぞ知る”的なマンガ家さんのよう。


それで俄然興味が湧きまして、何冊か読んでみたのですが・・・なるほど!こりゃ納得!!
緒方てい氏の作風を簡潔に一行で表現するなら・・・
美少女を主人公にして『覚悟のススメ』や『Gガンダム』的テイストのバトルアクションを描く作風
・・・と言えるでしょう!!


人造人間カティサーク 1 (CR COMICS)

人造人間カティサーク 1 (CR COMICS)

敵ロボットとの激闘の末、バラバラに破壊されてしまう人造人間カティサーク(←美少女ロボっ娘(笑))。
正義は敗北するのか?!人類の未来は?!
だがその時!カティサークは、恋する鉄兵くんの必死の叫びに呼応して奇跡の復活を遂げる!!
・・・のですが、そのコマの書き文字『恋する乙女に 不可能なんてない』←大文字です。


・・・フツウだったら笑うトコですよね?しかし「クスっ」ときながらもそれだけでは終わらない。
なぜなら、書いてる作家がマジだからです!熱いんです!そのアツさが読者にも伝わってきて
こっちまでマジにさせられてしまう!!がんばれ!カティサーク!!!みたいなね(笑)


そこには、GINAX作品のような“美少女に救ってほしいけど、美少女を信じていいのかワカンナイ”的
迷いはありません。それゆえ、一歩間違えると、男性に一方的に都合の良いばかりのオタク向け作品に
成り下がってしまうとこなんですが・・・そうはなってません!なぜなら、作品の中に作者の確かな
メッセージが込められてるからなんですよ。それが顕著なのが↓の作品。


キメラ 1 (ジャンプコミックスデラックス)

キメラ 1 (ジャンプコミックスデラックス)

舞台は中世ヨーロッパ風の世界。軍事大国ゲイボルグの侵略によって、家族を失った少女リン。
だが彼女は実は古の戦闘民族キメラの末裔だった。やっと手に入れた平和の暮らしと愛する人たちを
守るため、彼女は自ら戦乱の渦中へと身を投じるのだった!!


こちらが緒方てい氏の名を世に知らしめた代表作?現在16巻まで発売されてて、次巻で完結の模様。
とりあえず2巻まで読みましたが、こりゃマジで続きも読まないといかん!!


要するに、中世ヨーロッパ風の世界を舞台にしたファンタジー作品なんですが、2巻まで読んで強く
感じさせられたのが、この作家は戦争がどんなものであるかを正しく理解しているということ。
そして、単なるエンターテインメントとして戦争を描いているのではなく、真摯に反戦のメッセージ
を込めているということ!争いの渦中においても失われない人間の善き心を信じていること!


なるほどね!こりゃ確かに良い作家さんだよ!!作家の人間性が信用できる。
特に戦争を描く作品においては、作家の人間性が確かでないと、おかしな方向に歪んだ影響を
受けちゃう危険性があるからね〜。


ってコトで、この緒方ていという作家さん!
確かなメッセージ性をもち!燃えるように熱く!ちょっと大げさな表現もあり、戦闘シーンの迫力も
あり!美少女のちょいセクシー描写(笑)もありという素晴らしい作家さんです。
こんな良い作家、今まで知らなかったなんて!!これから全作品を読破せねばならんよ!!

「夕凪の街 桜の国」

夕凪の街 桜の国」の映画を観に行ってきました。
公式:http://www.yunagi-sakura.jp/


原作のマンガが、マンガ史に永遠にその名を残すに違いない大傑作なので、
そりゃあもう期待しまくって観にいったんですが、うむむむむ・・・これはダメだ。


とにかくね〜、脚本がダメ。演出もダメ。
原作のマンガがあれだけ出来がいいんだから、マンガの通りの脚本と画面に
すりゃあよかったのに、余計なことやったり、大事なとこカットしちゃったり、
延々セリフで説明させちゃったりしてるもんだから、映画に入り込めません。


さらには、男性陣のキャスティングの大半が役のイメージに合ってません。
現代の旭役が堺正章だと聞いて「はぁ?」と思ったもんですが、実際映画を観てみても、
役柄にそぐわない下手な小芝居をしてくれやがって、かなりイライラさせられます。
打越役、過去の旭役も笑顔がニヤケ顔になる役者で、作品のトーンに全く合ってません。


一方で、女性陣のキャスティングはかなり良かったです。
前半部(過去)の主役となる皆美役の麻生久美子は、皆美役にしては美人過ぎる感が
否めませんが、とにかく作品のトーンにぴったりハマりまくっていて、演技も情感が
出ていて、目が釘付けになりました。広島弁がまたカワイイんだ!!
後半部(現代)の主役となる七波役の田中麗奈も、お母さん役の藤村志保も、
東子役の中越典子も、ホント役のイメージにぴったり!!あと京ちゃん役の人も
バッチリイメージに合ってたなあ!(なのに、パンフに写真付きの紹介がないので
なんて名前の役者なのかわかんねえ!このパンフもダメだよっ!!)


ただね〜、脚本や演出がダメだと、役者がどんなにいい演技しても全部無駄に
なっちゃうんだよね〜。映画オリジナルの要素もいくつかあるんですが、演出の
仕方があざとい!下品!!髪留めの行方なんかは、もっとさりげなく演出すれば
いいのに、これでもかっ!っつーくらい演出するので逆に煩わしくなっちゃう。


原作の最も大切なメッセージ部分も、見せ方が下手なのでちっとも胸に迫って
こなかった。俺さ!大泣きするもんだと思って準備万端で観にいったのに、
全然泣けなかったんだよ?なんなんだよチクショー!!!!


ああもう〜っ!!せっかく素晴らしい原作なのに、監督がわかってないばっかりに
非常に残念な作品になってしまった。なまじ女性陣の演技は良かっただけに、
益々無念な気持ちでいっぱいです。監督は佐々部清。この監督の作品って初めて
観たけど、こんなコトやってるようじゃ他の作品も観る気にはなれないよ。


ってなかんじで、鬱々としたサイアクな気分で帰ってきました。
気を取り直して原作をもういっぺん読もう!原作は、将来山川の日本史の文化年表に
その作品名が載ってもちっとも不思議ではないくらいの奇跡の大傑作です!!
そうだよ・・・こっちを見ればいいんだよ。・・・でも悔しい!ったく、チクショー!!

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

↑こっちを見れ!!